出雲坂根駅は、3段式スイッチバックの駅として知られる。また延命水も沸いているという。
3月となったが車窓は一面銀世界である。出雲横田〜備後落合は1日3往復。乗車している列車の前にこの単線の線路を走った列車は3時間も前である。線路は雪で見えず、空転もし、トンネルに入ると天井からの氷柱が気動車にぶつかり、鈍い音が聞こえてくる。
↑延命水
定刻で出雲坂根駅に到着した。スイッチバックのため、列車は数分停車する。まずは延命水のところへ。スイッチバック終端点と逆方向のホーム端へ向かった。雪に埋もれてはいるものの、延命水は凍っていなかった。運転手氏は無線でどこかの駅と連絡をとっていた。出雲坂根駅の積雪と天候などを伝えていた。
↑出雲坂根駅発車後のスイッチバック地点
左が備後落合方面、右の線路を下ると出雲坂根
この先運休になってしまうのかと心配になったが、先ほど来た方向に動き出す。先ほど上って来た線路を右に見て、新雪に埋もれた線路を上ってゆく。1分足らずで列車は停車し、進行方向を変え、備後落合へと向かう。
↑雪の中の出雲坂根駅(終端方を望む)
スイッチバックは、急勾配を緩和するために進行方向を変えて上っていく線形のことです。「Z」字型に登るものと、「ト」字型のように引き上げ線とした部分に駅を作る2通りがあります。出雲坂根駅は、数少ない「Z」型のスイッチバックで、他には、肥薩線大畑・真幸駅、豊肥本線立野駅、箱根登山鉄道にあります。